分科会テーマ発表③ "Cultural Diversity"
分科会紹介も最終回となりました。
最後は "Cultural Diversity" (文化多様性/多文化共生分科会)についてご紹介します。
議長は以前当ブログでも紹介した、長谷川郁くんです!
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「文化に優劣をつけることはできず、すべての文化は対等である」とは、文化相対主義の文脈において訓戒のように言われます。
しかし個々人の主観に立った時、本当にその一言で片付けることはできるのでしょうか?
ここ数年、日本文化・日本製品のユニークさや素晴らしさを強調する「外国人が驚いたニッポン!」のような番組が多いように感じる一方で、エレベーターの中で大声を話す中国人観光客を目にして眉をひそめる日本人も少なからずいるように思います。
心の中で、「洗練され伝統もある日本の文化が、実は一番良いのではないか」と思う人もいるのではないでしょうか。
(BSジャパンより http://www.bs-j.co.jp/official/oragamura3/ )
「文化」という言葉には、目に見える芸術や工芸品から、目に見えない国民性・マナー・常識まで広く含むことができます。
このように広い意味で用いる際の「文化 / culture」は、言語・習俗・道徳・宗教・制度などを含む「社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体」と定義されるようです(スーパー大辞林)。
本分科会では、このつかみ所のない「文化」というものに対する人々の認識に焦点を当て、本当の意味で多様な文化を認めるとはどういうことなのかを探っていきたいと考えています。
具体的には、自文化中心主義と文化相対主義それぞれの正当性と相克や、日中それぞれの国の中のマイノリティ文化の在り方、さらに、文化に関する些細な違和感がどのように差別につながるのかなどを考えて行く予定です。
これらの議論を通して、最終的に、多様な文化の存在を認めるとはどういう状態なのか、そしてそのために我々は何ができるのかについて考えていきたいです。
近年では外国からの観光客も増え、日本に住んでいながら外国の文化に触れる機会がとても多くなってきたように感じます。
多様な文化と接する機会が増えることは、一方では文化間の相互理解に向けて役立つ面もありますが、他方では文化的な摩擦を招くこともあります。
これらの摩擦に上手く対処することは、差別を未然に防ぐだけでなく異なる社会や国へのイメージを改善することで国際平和にも資するものであり、従来の差別が依然として社会に残り国際関係も不安定化している中で今一度文化多様性のあり方について考えることは欠かせません。
しかしながら、文化をテーマとして議論することは文化間の差異を際立たせ、往往にして価値観の押し付けあいや差別に繋がってしまい、容易なことではありません。
そんな中、京論壇は、日本と中国という異なった文化をもつ学生が、誤解を恐れずに本音で自身の文化への思いを語れる数少ない場を提供できると思います。
身近ながらもはっきりと説明できず、時には自信を持って語って良いのかも迷うことになる「文化」というものについて、実際に異なる「文化」を持つ人たちと一緒に考えて見ませんか?
皆様の参加を心よりお待ちしております。
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「身近ながらもはっきりと説明できない『文化』について、実際に異なる「文化」を持つ人たちと一緒に考えてみる」。
まさに京論壇の醍醐味を存分に味わうことのできる分科会ではないでしょうか?
ご応募お待ちしております!