北京セッション実況中継
こんにちは!副代表の浦野です。
いよいよ北京セッションが始まりました。
緊張のオープニングセレモニーから始まり、次第に白熱していく議論を経て、その集大成たるプレゼンテーションへと繋がっていく7日間。
今回はその模様をできるだけ臨場感をもたせてお伝えしたいと思います。
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正しい競争とは何か?
「競争と正義」分科会はこの難題に答えようとしていた。
広大な北京大学キャンパスの東のはずれにある、第二教学楼5階。
西日の差す教室で、議長のイェンジュンが質問を投げかける。
−− So, who’s going to vote for “unfair”?
向かい合って座る10人のうち、奥に座る2人のみが手を挙げた。
しばらくの議論ののち、再びイェンジュンが尋ねる。
−− Who’s going to vote for “unfair” this time?
今度は半数を超える手が挙がった。
…このセッションで行われていたのは、いわば思考実験である。
ある双子(AとB)がいて、Aは東京で育ち、Bは別の地方都市で育ったとする。
東京で育ったAは教育環境に恵まれ、志望していた大学に合格することができた。
一方Bは通っていた学校の教育水準が低いこともあってか、志望大学に進学することはできず、一年間の浪人をすることに決めた。
この競争はフェアだったか?という問いには、10人中2人のみが「フェアであった」と答えた。
ところが、ここで少し設定を変えてみるとどうだろう。
教育環境に恵まれたAは志望校に合格できず、BはAの届かなかった大学に合格することができたとする。
この競争については、10人中6人が「フェアであった」と答えた。
スタート地点は同じでありながら、結果によって競争がフェアになったりアンフェアになったりするのだろうか?
そもそもAとBの「頭の良さ」に差があったとき、それはアンフェアではないのか?
フェアな競争とは何か?
論点が論点を呼び、議論は21時半近くまで続いた。
翌日の議論は9時から。
分科会メンバーは朝食を買ってホテルへと引き揚げ、長時間の議論で疲れた身体と頭を休ませるのだった。
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この議論の行く末は、東京セッション後に出版する「最終報告書」にて報告したいと思います!
また、他分科会の様子についてもこの後ブログでお伝えするつもりなので、ご期待ください!